NPO法人国内産米粉促進ネットワーク(CAP.N)が事業主体となった「日本産コメ・コメ関連食品のプロモーション活動強化支援事業」が10月8日~17日にかけて、ドイツ、イタリア、フランスの3か国で行われました。
スタートとなった8日のドイツでは、ケルン市内で開かれている世界最大の食品見本市であるANUGAを視察、途中、出展者や入場者らと意見交換する場もありました。また、コメ・コメ加工品の輸出支援のため会場を訪れていた農水省の佐藤夏人政策統括官付米麦流通加工対策室長らと、今活動の意義を確認しあいました。
9日は、ケルン市内のホテルで「試食・商品説明・意見交換」を開きました。現地在住のグルテンフリー商品に関心がある消費者やホテルのシェフら35人が参加、会場内で調理したグラタンなどを試食し、陳列商品を説明するとともに意見交換をしました。
会場には、サンプル輸出に協力した6社、20商品が並べられました。開会あいさつでCAP.Nの島田圭一郎理事長は「日本では、政府や農業団体、民間業者が世界一厳しい基準によるノングルテン米粉やグルテンフリー食品の普及を目指している。いつまでも健康でいたいと願う人々の需要に対応できる素晴らしい食材であることを知ってください」と、日本産米粉の優位性を紹介しました。
調理デモでは、同法人副理事長で米粉料理インストラクターである萩田敏氏が、参加者の目の前でベジャメルソースやグラタン、シフォンケーキを調理、ほとんどの人が初めての米粉料理を味わいました。この後、サンプルを提供した熊本製粉㈱の関係者が、アメリカへの輸出実績に触れながら輸出商品のグルテンフリー米粉を説明しました。
意見交換では、「日本産米粉輸出の展望を教えてほしい」「中国産米粉との違いを強調するならどのような事か」「店舗に出回った場合、価格はどのくらいになるのか」など、可能性から具体的な事項まで広範な内容の質問がありまた。
在留の日本人の介護などに取り組んでいるNPO法人「Dejak友の会」の加藤千春さん(45)は「お年寄りが、故郷の米や米粉の料理を食べたがっている。こうした機会に参加し、日本産の米粉が手に入った場合、自分たちで何ができるかを考えてみたい」と、熱っぽく語っていました。また、ドイツ人と結婚して現地に住む清水左江子さんは、小麦アレルギー体質を治すためにグルテンテンフリーに関心がありました。今回はPRチラシを見て参加しましたが、「近い将来に日本のグルテンフリーの米粉・加工品が手に入るかもしれないと思い、どのようなものか知るために友人と来ました」と、話していました。
10日には、ジェトロのデュセルドルフ事務所からドイツにおける食品産業の輸出入の動きについてブリーフィングを受けました。同行したドイツ国内を中心にリ欧州をサーチする「Japan Food international」の西岡宏氏は「欧州といっても国によって食生活・文化が違うので、実際、マーケティングをして、テスト販売をすることが重要だ。付加価値を付けたハイスペックな商品は価格競争に自由になる可能性はある。ただ、食品については、オーバースペックになることが多いので気を付ける必要がある」と、アドバイスをしていました。
続いて、在デュセルドルフ日本総領事館を熊本製粉㈱の一行も含め訪れ、水内龍太総領事と面談しました。水内領事は「ドイツでも50代以上は、頑なに本来のドイツ料理にこだわるが、若い人には多様性がある。グルテンフリー食品マーケットについても特別な層だけではなく、普通の人も関心がある。し好の多様化で健康志向には乗っていけると思う。ただ、米関連の世界では、こだわらない人は、割高な日本産でなくとも中国産、韓国産で間に合ってしまう。品質での勝負と効果的な宣伝の相乗効果が必要だ」と語っていました。
新着情報一覧